インプラントの寿命は平均10〜15年!交換費用や寿命が来たらどうするかを解説
インプラントの寿命は、一般的に10〜15年とされています。しかし場合によっては、30年以上持つこともあります。
「高い治療費を払ってもすぐ再治療が必要になったら嫌だな…」と不安な方もいらっしゃるでしょう。
今回はインプラントの寿命や交換にかかる費用、寿命を延ばすためにできることなどについてまとめました。
インプラント治療を得意とする歯科医の目線から、忖度なしの本音で解説をします。
記事を最後までチェックすれば、インプラントの寿命に関する疑問がひと通り解決します。
インプラントにおける寿命とは?
インプラントは、顎骨に埋入する人工歯根、人工歯、そして両者をつなぐアバットメントの3つで構成されています。
それぞれ寿命や、破損による影響が異なります。詳しく見てみましょう。
人工歯根の破損
インプラントは、虫歯が歯根に達して抜歯が必要になった際の治療法です。
入れ歯やブリッジでは、人工歯根なしで人工歯を装着します。しかしインプラントでは、人工歯根を埋入して、その上に人工歯を装着します。
この人工歯根の寿命は、一般的に10〜15年ほどです。
人工歯根は、3つの部品のなかで一番下にあります。そのため人工歯根が破損した場合、人工歯やアバットメントを撤去して、再治療を受けなければなりません。
アバットメントの折れ
人工歯根と人工歯をつなぐための部品を「アバットメント」と言います。
アバットメントは、半永久的に使えます。しかし、破損する可能性もゼロではありません。
アバットメントが破損しても、人工歯根が無事であれば、アバットメントの修復や交換だけで済みます。
人工歯の破損
外から見える、いわゆる「歯」の部分を人工歯と言います。
人工歯にはジルコニアやセラミックといった、耐久性と審美性に優れた素材を使うのが一般的です。
人工歯の寿命は、人工歯根と同じ10〜15年ほどです。
しかし、人工歯も衝撃などによって破損する可能性があります。人工歯だけの破損なのか、アバットメントや人工歯根も破損しているのかによって、治療範囲が異なります。
インプラントの寿命は平均10〜15年
インプラントの寿命は、平均10〜15年とされています。
抜歯が必要なほど虫歯が進行してしまった際の選択肢は、インプラントを除くと入れ歯とブリッジの2つです。
ここでは、インプラントの寿命と、入れ歯・ブリッジの寿命を比較します。
入れ歯の寿命は平均3〜5年
インプラントには、原則として自由診療の選択肢しかありません。一方、入れ歯は保険適用と自由診療の選択肢があります。
入れ歯の寿命は、保険適用の場合が3〜5年ほど、自由診療の場合が10〜20年ほどとされています。
自由診療の方が寿命が長いのは、金属やシリコンなど、プラスチック以外の素材を用いるためです。
人工歯や床(ピンク色で歯茎のように見える部分)が摩耗したり、変形・破損したりして寿命が来ると、作り直しが必要になります。
インプラントと入れ歯は、抜歯後に選択できる治療法という点では共通しています。しかし着脱が必要といった決定的な違いがあるため、比較される治療法ではありません。
保険適用の入れ歯は、抜歯をした際の治療法としては最も安価です。そのため治療費を理由に、入れ歯を選択される方が多い印象です。
関連記事:歯がボロボロだと治療費はいくらに?お金がない場合の対処法も紹介
ブリッジの寿命は平均7〜10年
ブリッジは、両隣の歯を支えとして、橋(ブリッジ)をかけるように人工歯を固定する治療法です。
入れ歯のように着脱の必要がなく、インプラントよりも安価な治療法となっています。
しかし、両隣の歯が健康でなければなりません。また、両隣の健康な歯を削る必要があります。
ブリッジにも保険適用と自由診療の選択肢があります。ブリッジの寿命は、保険適用で7〜8年ほど、自由診療で10年ほどです。
インプラントとブリッジを併用して、治療費を抑える方法もあります。詳しくは以下の記事で解説しています。
関連記事:インプラントとブリッジはどっちがいい?費用の違いや併用の選択肢について解説
場合によっては30年持つことも
インプラントの寿命は、平均で10〜15年とお伝えしましたが、正しくケアすれば30年以上長持ちさせることも不可能ではありません。
ケアについては記事後半で詳しく解説しますが、定期的なメンテナンスや禁煙、日々の丁寧な歯磨きなどがあります。
これらのケアは、インプラント周囲炎の予防にも役立つでしょう。
インプラント周囲炎とは?:
インプラント周囲の歯茎や骨が歯周病菌に感染した状態。インプラント版の歯周病。
また、噛み合わせが悪いと、特定の歯に過剰な負担がかかります。これはインプラント治療を受けた後でも同じです。
そのため、バランスの良い噛み合わせもインプラントを長持ちさせるためには欠かせません。
インプラントの寿命が来たらどうする?
寿命が来たインプラントは、撤去をします。
インプラント治療時には、抜歯と人工歯根埋入の合計2回、外科手術が必要でした。インプラントの寿命が来た際は、人工歯根を撤去するための外科手術が必要です。
なお、人工歯やアバットメントの取り替えだけで済む場合は、外科手術は不要です。
撤去後の選択肢としては、再度インプラントを埋入するか、入れ歯またはブリッジといった他の治療に切り替えるかが考えられます。
再びインプラントを選ぶ場合には、骨の状態を確認します。場合によっては、骨造成手術が必要になるでしょう。
違和感がある状態で放置をしていると、怪我をする・顎骨が痩せる・噛み合わせが悪くなるなど、さまざまなリスクがあります。
そのため違和感を覚えたら、早めに歯科医院に相談することが大切です。
関連記事:インプラントとブリッジはどっちがいい?費用の違いや併用の選択肢について解説
インプラントの交換にかかる費用は?
インプラントの交換費用は、交換する部位や範囲によって大きく異なります。人工歯だけを交換する場合は比較的安価で済むことが多く、相場は5〜15万円程度です。
一方で、人工歯根やアバットメントも含めてすべてを交換する場合、1本あたり40〜70万円と、初回治療と同等の費用がかかります。
また、既存のインプラントを撤去する外科処置には別途費用が発生します。目安は10〜20万円ほどです。
人工歯根を埋入した歯科医院以外で人工歯根を撤去する場合には、保険が適用されます。その場合、治療費は3割負担で1,400円ほどとなります。
再治療の際に顎骨の状態が悪化していると、骨造成手術が必要となるケースがあるでしょう。そうなると、費用はさらに増加します。
保証期間外での交換となれば、全額自己負担となります。
関連記事:インプラント費用は1本40〜70万円! 前歯と奥歯の違いや費用を抑える5つの方法を紹介
インプラントの寿命を延ばすためにできること
インプラントの寿命を延ばすためにできることは、主に以下の3つです。
- 禁煙
- 日々の口腔ケア
- 歯科医院での定期的なメンテナンス
1つずつ詳しく解説します。
禁煙
インプラントの寿命を延ばすためには、禁煙が重要です。
喫煙は歯茎の血流を悪化させ、インプラントと骨が結合する過程「オッセオインテグレーション」を妨げる原因となります。
また、喫煙によって免疫力が低下すると細菌感染を起こしやすくなり、インプラント周囲炎のリスクが大幅に高まります。
治療前に禁煙指導を行う歯科医院も珍しくありません。少なくとも治療の前後数週間は、禁煙するのが望ましいとされています。
しかし一時的な禁煙では、根本的な改善にはなりません。長期的にインプラントを良好な状態で保つためには、継続的な禁煙が求められます。
喫煙習慣がある方は、これを機に生活習慣の見直しを図ることが、インプラントの寿命を延ばす鍵となります。
日々の口腔ケア
インプラントの寿命を延ばすには、日々の口腔ケアが欠かせません。
たしかにインプラントは人工歯なので、虫歯にはなりません。しかし、天然の歯と同様、インプラントの周囲にも歯垢はたまります。
放置すれば炎症を起こして、インプラント周囲炎に進行します。また、周囲の健康な歯も虫歯になるでしょう。
歯垢を放置すると、歯石になります。歯石は歯磨きでは除去できません。そのため、歯垢のうちに歯磨きで落としてあげることが大切です。
まずは最低限、朝と寝る前の丁寧は歯磨きを徹底しましょう。お昼も歯を磨けるのがベストですが、難しい場合は口をゆすぐだけでも構いません。
食後にうがい薬を使用するのもおすすめです。
歯科医院での定期的なメンテナンス
歯医者を「虫歯の治療を受けるために行く場所」のように考えている方も多いのではないでしょうか。
実は、常に虫歯がなく口内を綺麗に保てている方は、虫歯の予防や口内のメンテナンスのために歯医者を利用しています。
「インプラント治療を受けたからもう歯医者に行かなくて良い」というわけではありません。
歯科医院での定期的なメンテナンスが、インプラントの長持ちにつながります。
メンテナンスでは、歯磨きでは取りきれない歯石を除去したり、噛み合わせの変化などをチェックしたりします。
インプラントには保証期間がありますが、定期的なメンテナンスを行っていないと無効になるケースが多いので要注意です。詳しくは以下の記事で解説しています。
関連記事:インプラントの保証期間は平均1〜10年!引っ越しや通院拒否で保証を受けられないって本当?
インプラント治療はトラストデンタルクリニックにお任せください
トラストデンタルクリニックは、東京都港区浜松町の歯科医院です。当院では、インプラント治療に関するさまざまな選択肢を用意しています。
当院では、急に治療を始めることはありません。治療方法・治療期間・治療費・治療の痛みなどについて説明をして、ご納得いただいたうえで治療を行います。
▼当院における前歯4本の治療事例(インプラント2本・ブリッジ2本、治療期間6ヶ月、治療費132万円)

Before

After
当院の強みは、サージカルガイドを使用した、メスを使わない低侵襲インプラント治療です。
低侵襲インプラント治療によって術後の痛み・腫れは軽減されます。手術時間も短縮され、20分で終わるケースも珍しくありません。
首都圏でインプラント治療についてお悩みの方は、ぜひトラストデンタルクリニックへご相談ください。
まとめ
インプラントの寿命や交換にかかる費用、寿命を延ばすためにできることなどについて解説しました。
インプラントの寿命は、10〜15年です。一般的には、入れ歯やブリッジよりも長持ちします。
丁寧なケアをすれば、30年以上長持ちするケースもあります。
首都圏でインプラント治療についてお悩みの方は、ぜひトラストデンタルクリニックへご相談ください。